君を守りたい


一日の練習が終わり、陽路とドリンクボトルを洗っていると、着替え終わった後輩たちが陽路の元に駆け寄ってきた。

あたしは耳を澄ませ、その会話を盗み聞きする。それに対しての罪悪感なんて、あたしにはない。


「陽路ちゃん、仕事終わるの待ってるから、前みたいにまた渡部の家でご飯食べて帰ろー?」


まず最初に話し出したのは、あたしに全く興味を示さなかった阿久津…。可愛らしい無邪気な笑顔が陽路に向けられていて。


「んー。誰行くの?」


仕事の手を休めることなく、陽路はそう尋ね返す。


「えーと、俺と侑ちゃんと渡部と学くんと…聡くん!」


指を折って数えながらそう答え、ニコニコと笑う阿久津。その笑顔がとてもまぶしくて、優しくて。

刹那浮かんだ、あたしらしからぬ感情。今の一瞬で囚われた心に、パチンと恋に落ちる音がした。