君を守りたい


そんなあたしたちを、鋭い目で見ている後輩がいることにふと気づく。確か名前…渡部、だったっけ?

その目を見て、この子はそんな単純な子ではないな、とあたしの勘が告げる。むしろ、あたしの敵に回る側だ、と。

その後輩の様子に全く気がついていない紀彦は、あたしの頭に優しく手を置き一言ささやいた。


「ま、とりあえず気落ちすんなよ!」

「あ、うん!ありがとー♪」


とりあえずお礼を言うと、彼らは練習を再開するらしくコートに戻っていく。
その後ろ姿を見ながらあたしは、これからのことを考え一人ほくそ笑んでいた。

だって…
信頼が崩れて壊れていく姿って何だか面白そうだし。そしてそのポジションをあたしが頂いちゃって…と。何だかたまらない。
さあ、どうやって壊してあげようか?