「じゃあ、いったん休憩!」


部長の礼二の言葉で各々が動きを止め、全員がこちらの方に向かってくる。その様子をじっと見ながら、ベンチまでたどり着くのを待つ。


「はぁい。皆さんお疲れさまぁ。ドリンクどうぞ♪」


満面の笑みであたしはそう言った、のに。
にこにこと返してくれるのは同級生の3人だけで、1・2年生はみんなキョロキョロと辺りを見回していて。

…どうせ、陽路を探してるんでしょ?


「…陽路なら、洗濯中だよ?」

「あぁ。そうですか…。」


あたしが陽路のことを答えると、納得したようにうなずく後輩。あたしがあんたらにドリンク配ってやってるってのに、それじゃ満足しないなんてムカつく…

あたしはうつむき、両手を強く握りしめた。