この前、部員みんなの前でマネやります宣言をした次の日に、あたしは顧問の柊竜玄先生に入部届を提出した。「大崎を手本に頑張ってくれ。」なんて言われたけど、知るかって感じ。


「ちょ、美香っ!たそがれてないで、ドリンク持って行って。」


部室の窓から青々とした空を見上げていたあたしに、汚れたユニホームとかを両手に抱えた陽路が後ろから仕事を指示する。


「はぁーい。ごめんねぇ。」


ウザい、とか思ったのを気づかれないように、あたしは笑顔で言葉を返した。
だってほら、まだまだいい子でいないと。今は信頼関係を築くのが大事なんだから。

陽路に言われた通り、11本のドリンクボトルを二回に分け、両手で抱えてベンチに持って行く。

やっぱり外は照りつける太陽が痛い。焼けてしまう。黒くなりたくないのになぁと思いながら、もうすぐ休憩に入るであろう練習をぼんやりと眺めた。