「じゃあ〜、美香のことは美香って呼んでねぇ♪」


にこにこと、女のあたしでも可愛いと思ってしまうような笑みを浮かべて彼女はそう言う。
でもやたらにハイテンションすぎて、ついていくのに疲れるんですけど…


「陽路ってぇ、何か部活やってるのぉ?」

「んー。男テニマネ。」


そんなあたしの心境なんて、気づくこともないんだろう。さらに質問は続いて。

っていうか、語尾のばして話すのやめてほしいなぁなんて思いながら、あたしは適当に答える。

適当すぎて美香の方を見てなかったせいで、彼女がそのとき普段の顔からは想像できないような、醜い笑みを浮かべたことに全く気がつかなかった。