かけがえなくて…、 失いたくなくて…、 大切で…、 大好き。 涙とともに、あふれ出す想い。 何度言っても、言い足りない気持ち。 ――でも。 今はそんな言葉すべてが安っぽく思えて。 あたしが口にしたのはたった一言だけ。 「ありがとう。」 それだけでも慈朗には、あたしの気持ちはちゃんと伝わるから。 満足げに笑う慈朗にあたしも笑みを零すと、不意に引き寄せられた手。そしてぎゅっと抱きすくめられ、大好きな匂いに包まれた。