「だけどね…」
不意に生じた間を断ち切るように慈朗が呟いたので、あたしはまた耳を傾けた。
それと同時に、慈朗の表情が変わる。後悔の色が現れていた顔から、一変して何かを決意したような顔になった。
「今度は俺、ちゃんと陽路ちゃんを守るよ。できるだけ傍にいて、三年前できなかったことをしてあげる。過ぎた昔も、今もこれからも、俺が陽路ちゃんを守りたい。」
慈朗のその言葉に、ゆっくりと頬を伝った涙。その跡に風が触れ、ひんやりと冷たい。
「陽路ちゃんが自分を犠牲にして、俺たちを守ってくれたように。」
そう呟き、空いている手であたしの涙を拭うと、慈朗はニコッとほほえむ。月と星の優しい灯りが、あたしたちをそっと包んでいた。

