君を守りたい


「そっか。よかった。」


あたしがそう呟くと、慈朗は優しくもある無邪気な笑みを浮かべる。それにつられ、あたしもほほえんだ。そして月明かりの下、慈朗はまた口を開く。


「そんときからもう、陽路ちゃんが俺の中心になってたんだよ。何か自分でもわかんないうちに、陽路ちゃんの言葉1つ1つが心に染み込んでく感じがしたんだ。」


慈朗が話している間、慈朗の目を見つめながら黙って耳を傾けた。時折吹き抜ける冷たい風に、つながれた手だけが温かい。


「で、陽路ちゃんを好きなんだって気づいた。俺が救われた分、今度は俺が陽路ちゃんを助けたいなあって思ったんだ。守りたいって。」


優しさの中に潜む、真剣さをたたえた瞳があたしを捉える。それにしてもあのときの慈朗は、そんな風に思ってくれてたんだ。何だかくすぐったい。