次第に赤さが広がっていく空。
もう、何分ぐらい経ったんだろう?
そろそろ待ち疲れてきたなっていう頃、あたしの視界がふいに暗くなった。そして降りかかるのは。


「………あ、れ?やっぱり陽路ちゃんだ。何で?」


待ちこがれた人の声。

驚き、目を丸くした慈朗の表情に、あたしは思わずふっと笑みを零してしまった。


「一週間ぶり、だね。今日は慈朗に、話したいことがあるから来たんだよ。…あたしなりの結論、伝えにきたの。」

「そっか…。とりあえず、公園入る?ここ、超目立つし…。」

「…うん、そだね。」


慈朗の左斜め後ろを歩くようにして、あたしたちは学園前公園に向かう。オレンジを映して反射する慈朗の髪が、普段よりまぶしく見えた。