寿也との、関係…。

晴人はもうあたしたちが別れたこと、きっと気づいてるな。隣を歩く晴人からは、そんな感じがした。

だって。晴人は初めて会ったときから、人の心境の微妙な変化も見逃さない鋭さを兼ね備えているような子だったから。


「……寿也、あたしをフってくれたの。っていうか、元の関係に戻りましょう、って言ってくれたんだ。」

「そうですか、寿也が…。でもやっぱり、別れちゃったんですね。」


一瞬、寂しげな表情を浮かべた晴人。でもその晴人の言葉があたしの胸に突き刺さり、ズキズキと痛む。

“やっぱり、別れちゃったんですね。”


「…うん、ごめん。」


誰よりも部員想いの部長に、あたしはそう言うことしかできなかった。