「悪いけど、あたし今日部活早退する。…どうしても、今日行かなきゃならないところがあるから。」


放課後、いつも通りに部室に向かっている途中、途中で出会せた部長である晴人にあたしはそう告げた。

向かう場所は一緒。
並んで歩きながら、晴人は口を開く。


「……その“行かなきゃならないところ”っていうのは、もしかして凌葉ですか?」

「…うん。」


一昨日、例の四人と向き合って。
昨日、寿也と別れて。
最後にあたしはもう一人、会わなきゃならない人がいるの。

お互い相手の方を向くこともせず、前方だけを見据えて歩く。次第に近づいてくる部室を目に映しながら、晴人は口を開いた。


「ということは、寿也との関係は一段落したんですね?」