別につきあっていなくたって、前の関係のままだって、陽路先輩の俺に対する態度が変わるとは思えない。
「じゃあ陽路先輩、また明日。」
『うん、じゃあね寿也。明日ね。』
そう、明日。
明日、この関係に終わりを告げよう。
陽路先輩を傷つけないように、俺から。
だって、陽路先輩から俺に終わりを告げることは、恐らくないだろう。
陽路先輩はきっと、俺を傷つけないようにって、また悩んでしまうだろうから。
だからそれからまた、元の関係に戻れればいい。
焼け焦げた体は元に戻らないけど、せめて。正しい位置に戻ってやり直すことぐらい、許されると思うから。