でも、それにしても…。
「…ずいぶん、いきなりッスね。」
『まぁ、ついさっき決まったことだからな。あと俺の他に、晴人もいるんだが…』
「…ウイッス、すぐ家出ます。どこ行けばいいんスか?」
どんなに急だったにしろ、部長を含め、二人の先輩が俺を待っている。それなのに、後輩の俺が行かないわけにはいかない。
『桑井の家の近くの珈琲店だ。』
「了解ッス。じゃ、あとで…。」
電話を切り、猛スピードで着替えてすぐに出かけられるよう支度する。
いきなり行動を始めた俺に母さんが唖然としているけれど、そんなのは気にしない。
「ちょっと出かけるから。」
それだけ言って、家を飛び出した。