だって、表示されていた名前は沢柳先輩だぜ?普段あの人に向けて「誰だよ?」なんて、怖くて絶対言えねーし。
でも、そんなことより。
部活も無いこんな日に、あの人が俺に電話してくるなんて一体何の用だ?それが気になる。
一つ小さく咳払いをして、通話ボタンを押した。
「あ、もしもーし、沢柳先輩。おはよーございまーす…。」
『ああ。…その様子だと、まだ起きて活動していたワケではなさそうだな。』
「はは…、まぁ。」
いつも通り鋭い指摘に、思わず苦笑いが零れる。でもそんなことを気にしない様子で、また話し出した沢柳先輩の声に、再び耳を傾けた。
『ならちょうどいい。今からちょっと出てこれるか?お前に、話しておきたいことがあるんだ。』
俺に、話しておきたいこと?