久しぶりに部活のない土曜日。
起きるのが億劫で、なかなか布団から抜け出せない。
「寿也ー!休みだからっていつまで寝てるの!」
「もう起きてるっつーの!」
階下から聞こえる母さんの怒声に、布団から出ることなく言い返す。
部活がないんだ。たまにはゆっくりしてたっていいじゃねーか、なんて悪態をつき、布団を深くかぶり直した刹那、枕元で充電していた携帯がけたたましい音で鳴り響いた。
「…ったく、誰だよ?」
誰に向けたわけでもなく呟いた一言。でもそのせいで、サブディスプレイに表示されていた名前を見ると、一瞬にして青ざめた。