君を守りたい


おとずれた沈黙に手持ち無沙汰な右手は、ストローでグラスの中を混ぜる。カランと氷が動く、涼しげな音が響いた。


「…なあ、大崎。」


呼ばれた声に、ふと顔を上げる。
すると、さっきとは打って変わってうつむいた顔を上げ、あたしの顔を直視している礼二の目と視線が絡んだ。

それは何かを決意したような、とても真剣な顔つきで…。

だから今度は何を話し出すのかと思い、思わず身構える。しかし、そんなあたしを知る由もない礼二が発したのは、耳を疑う簡潔な一言だった。


「凌葉に、戻ってこないか?」


予想もしてない言葉に、まばたきするのを忘れるくらい頭の中が真っ白になる。

でも、だって、そんなの…。本当に、ありえないでしょう…?