君を守りたい


報復が怖かったから?
そのままにして、いつの間にか忘れてた?

そんなの、言い訳になんてならない。
こんな証拠、本当に今更すぎるよ。

再生が終了した携帯を、ただぼんやりと見やる。流れたのは、あの日教室で美香と交わした会話だった。あたしに、凌葉から去ることを決意させたあの放課後…。

懐かしさとともに、そのときの美香の楽しそうな様子がまざまざと思い出されて。眉間にしわが寄ったのが、自分でもわかった。


「…これ聞いて、自分たちの信じたものは違うんじゃないかって、初めて不安になった。ここでようやく、渡部たちの声に目を向ける必要性を感じた。」


うつむき気味で話す礼二の声を聞きつつも、あたしは唇を噛みしめる。

だってそうでしょう?

報復なんて恐れずに、この録音をその時点でみんなに聞かせてくれていたら、こんな状況にはならなかった。

みんなを巻き込んで傷つけて、三年間も過ごさなくたってよかったかもしれないのに。