「この携帯、俺の従姉妹の携帯なんだ。最近機種変したみたいなんだけど、ちょっと聞き捨てならねぇものが入ってたから、リサイクルに出す前に借りてきた。」
そう言いながら差し出された携帯。
開かれたディスプレイには、ボイスレコーダーのリストが表示されている。
「たまたま…、たまたま偶然その場に居合わせて、気になったから録音したらしい。けど結局、チクった後の美香の報復が怖くて公表できないまま、録音したこと自体忘れちまったらしくて、俺が気づいたのも、俺たちが聞いたのも最近だ。」
録音?
何を録音したっていうの?
紀彦たち三人が聞いて、貫いてきた正義を覆させられるほどのもの…。
「とりあえず、大崎も聞いてみろよ?」
礼二に勧められ、あたしはたった一件だけ保存されているボイスレコーダーを再生した。

