君を守りたい


「痛っ……!!」

「陽路先輩!」


やめどころを逃したあたしは、激痛とともにコートに倒れ込んだ。

焦る寿也や、打ち合いの様子を見ていた部員たちがあたしに駆け寄ってきて…。あたしはまた、みんなに迷惑をかけるんだ。その事実に、奥歯を噛み締める。

っていうか、そんなムリした訳じゃないのに…情けない。ハッキリ言って、マジでバカじゃんあたし。自分のことくらい、ちゃんと把握して動けっての。

そっと痛む左のアキレス腱に目をやると、やっぱり予想通りに赤く腫れ上がっていて。
その赤さに、記憶の断片が重なる。こんな些細なことで思い出してしまうなんて…

完治しないと言われてるとはいえ、悪化にも普通限度があるでしょ。
足のケガも、気持ちも、あのころから何も変わってないのかもしれない。