…今更、何?
ホントに今更、礼二達とあたしが何を話すことがある?

散々嫌みとか言われて、罵られて、この上さらにまた、何か言われるの?

そんなの、もうやだよ…。

それに“俺たち”っていうのも気になる。“待ってる”のは礼二1人じゃない。恐らく、紀彦と治も一緒なんだろう。

思い出すのはあの屋上…。
散々殴られて放置された。
狂気じみた治の表情が脳裏に浮かぶ。

また頭の中で警鐘が鳴り響く。

“行かない方がいい。”

まるで、そう言ってるかのように。
乱れる呼吸と早くなる鼓動、何とか気持ちを落ち着けようと、ぎゅっと手を握りしめた。