お互い口を開かないため、電話越しに沈黙が流れる。
でも、それは決して気まずいものなんかじゃなく、グルグル回る頭の中を整理するのにちょうどよいものだった。凌葉、海星のメンバー達の笑顔が、自然に思い出される。
そして涼夜の『ねぇ…。』という声で、あたしの意識は一気に現実に引き戻された。
『陽路先輩、何度も言うようだけど、俺も先輩が好きだってこと忘れないでよね。世界中を敵に回しても、俺はずっと陽路の味方だから。』
「ふふっ、ありがと。」
少し大げさな言い回しに、思わず笑みが零れる。いつものように『何笑ってんの?』とか言いつつ、涼夜自身の笑い声も聞こえてきた。
…――あぁ、あたし。
ツラいときは、いつも何かと涼夜に助けられてるな。こんなにもふがいないあたしを、いつも“好き”だと“味方”だと言ってくれて、本当にありがたく思った。

