『別に。ただ陽路先輩のことだから、まだグダグダ悩んでるんだろうなと思って。だから改めて1つ、言いたいことがあったから。』
ほら、やっぱり…。
それにしても、あたしがまだ一人で悩んでるのとか、幼なじみには全部お見通しだったってわけか。
情けなさに自嘲しながら、携帯越しの涼夜の声にじっと耳を傾ける。
『…陽路先輩がどんなに悩んで苦しんできたか、海星の人達は十分わかってくれてるよ。だから陽路先輩がどんな結論を出しても、みんな理解してくれる。誰も陽路先輩を嫌いになったりしない。蒼兄みたいにいなくなったりしない。』
…雅樹と同じことを言うんだね。
雅樹にしろ涼夜にしろ、こんなにあたしを理解してくれてる人がいるっていうのに、あたしは何を躊躇ってたんだろう。
あの日の帰り、雅樹との会話の中で、自分の気持ちをハッキリさせることを心に決めたはずなのに。

