部活を終え帰宅し、着替えたあとに思いっきりベッドにダイブした。電気もつけてない部屋の中、カーテンの隙間からもれる外の明りが部屋を照らす。

暗い中で一人、体を起こして壁にもたれ掛かった。ゆっくり深呼吸すると、乱れていた思考がだんだん落ち着いてくる。

…あぁ。やっぱり逃げてちゃいけない。
何度もそう思っていたはずなのに、どうしても逃げを選ぶあたしは弱い。

どんなに自分で結論だしたって、向き合えなければ何の意味も持たないというのに。


「……はぁ。」


小さくため息を零し、ゆっくりと目を閉じた。そして、駆け巡る記憶に思わず顔をしかめる。一人でいると、楽しい記憶よりもツラいとか悲しい記憶ばかり思い浮かぶというのは、いつものことながら面白くない。