「美香、あんたとの過去にケジメをつけるためだよ。」


…は?ケジメ?
三年もたった今更、何言ってんの?


「過去に囚われたままじゃ、あたしは前に進めない。少し遅くなったけど、三年前逃げ出したものと、今度こそちゃんと向き合って結論を出したかった。」

「へぇ。じゃあまだ結論出てないんだ?」


あたしの問いかけに、陽路は自嘲的な笑みをもらす。そして再び口を開いて。


「…まだよくわからないんだ、どうしたらいいのかがね。でも、あたしの気持ちは変わってない。それだけは、自信を持って言える。」


決意を秘めた目をあたしに向けたあと、陽路は厨房を出ていった。一人残された厨房で、あたしは陽路の言い放っていった言葉を思い返す。