君を守りたい


「それにさ、陽路…。」


静まる厨房に、あたしの声だけが響く。少しだけ開いていた窓から、ぬるい風が吹き込んだ。


「あんたは後輩たちを裏切ったのよ?そんなあんたが、どのツラさげてあいつらと顔あわしてんの?」


陽路は悲しげな表情を浮かべ、唇を強くかみしめる。まぁ仕組んだのはあたしだし、悔しく思うのは無理ないけれど。やっぱりこの事実は重いだろうね。
…特に陽路みたいな性格なら、尚更。


「…裏切ったのは確かだけど。あたしとあいつらの関係、美香にどうこう言われる筋合いはない。」


へぇ〜…。そんなことあたしに言っていいんだ?
強くあたしを見据える目と、思ってもいない反撃。全く、腹立たしいったらありゃしない。