君を守りたい


「でももう、カットとかはし終えちゃったの。だから二人で、外にコレ運んでくれる?私まだ、ちょっと残した仕事があるのよ。」


頬をひきつらせるあたしの様子に気が付かない佐伯さんは、申し訳なさそうに話を続ける。

そして、“コレ”と言って指された野菜や肉入りの皿。人数が人数なので、やはり運ぶ量も多い。重そうだしヤダ。


「大丈夫ですよ。だから佐伯さんは、自分の仕事やってください。」


にこっと笑いながら答える陽路に、リアルに跳び蹴りを食らわしたいと思った。

断りたかったのに、何であたしが食器とか野菜運ばなきゃいけないの。

「じゃあよろしくね。」と言い残し、佐伯さんは厨房を出ていく。二人になった厨房で、あたしは陽路を思いきり睨みつけた。