少し冷えている廊下、少し薄暗い階段…。歩く度にあたしの足音だけが微かに響く。

あぁ、今日で最終日…。

短いようで長かった。結局あたしはこの合宿中、ケジメを付けることができなかったワケだ。情けない。“どうしよう”という気持ちばかりが、あたしの中を渦巻いていた。

寿也、慈朗、美香…。
人って、どうしてこんなに複雑なんだろう?もう誰も傷つけたくない。でも美香とのケジメはちゃんとつけなきゃならないとは思う。

今日の予定は朝練・朝食・午前練・昼食。午前中で一通り終わり、各学校ごとに解散する。それまでにどうにかするなんて、あたしには無理に等しい。

はぁ…と大きなため息をついて階段を降りきった。そしてふと多目的ホールに視線を移すと、見慣れた白い帽子の子が見える。

…でも今は朝練の時間帯、だよね?