「結果は俺のボロ負け。傷だらけで、膝とか肘から血が出てたのはわかってたけど、自分にムカつくし情けないしで、監督とかマネとか先輩たちの心配する声とか、処置しようとしてくれてるのとかを全部シカトして、少し離れた木の下でふてくされてたんスよ。」
あぁ…。思い出した。
試合後、周りの声を一切拒絶して木陰で寝転がってた男の子。
「で、そんな俺のところに、救急箱を持った陽路先輩が来たんス。まぁ、そのときは名前なんて知らなかったんスけど。」
そこまで言うと寿也は、あたしと目線を合わせて久しぶりにほほえんでくれた。
ホント久しぶり…。
ただ、寿也がまたあたしに笑いかけてくれた、それだけのことがスゴく、嬉しかった。

