君を守りたい


「そっか。じゃあ、あとでコートに行く。ドリンクづくりはマネの仕事だからね。」

「わーい♪ありがとー!」


そう言って大広間を出て行く慈朗の背中を見て、慈朗の素直さも昔から何にも変わってないんだな、と心から思った。


「さ、みんなもういいわ。あとは私がやるから、4人も自由時間に入りなさい。」


おしぼりを絞りながら、佐伯さんがあたしたちに向けて言う。残りの仕事を佐伯さんだけに押しつけるのも悪いな、とも思ったけれど、あとはテーブル拭くぐらいだし、あたしも寿也との約束があるので、佐伯さんに「お先に失礼しまーす。」と言い残し、大広間を出た。

多目的ホールで数人が盛り上がってるのを見ながら通り過ぎる。そして薄暗い階段を昇り、寿也の部屋へと向かった。

っていうか、一体寿也の話って何?
“不機嫌な子”と関係あるかな?

次第に押し寄せてきた不安を隠すように、小さく息を吐いた。