「あ!陽路先輩、もう大丈夫なんスか?」


涼夜から視線をあたしに移した剛が、あたしの方に駆け寄ってくる。その後ろに涼夜がゆっくりと続いてきて。


「うん。おかげさまで。」

「ならよかったッス。マジで朝、焦ったんすよ〜!?」

「あはは。だろうねー。」


疲れてるだろうに、明るく話してくれる剛に少し感謝。そして剛と会話を交わしているうちに、大広間には次第にメンバーが集まってきた。その様子を見た剛は、あたしに一礼してその輪の中に入っていく。だから必然的に、あたしは涼夜と二人になった。


「…朝、ありがと。涼夜いなかったらあたし、マジでヤバかった。」

「…別に。」


うん。やっぱりご機嫌斜めだ。
あたしに対して怒ってるんだろうな、たぶんだけど。