「…恭ちゃん♪喧嘩の原因、何?」


ポッキーを美味しそうに頬ばる恭汰は、あたしがそう尋ねた刹那、何かを思い出したように勢いよく話しだす。


「それそれ!何で寿也なんかと付き合っちゃうんだよ!?俺だって陽路先輩のこと、好きだったのに…」

「……、え。」


………今、何とおっしゃいました?

気まずい雰囲気があたしたち3人を包み込む。2人の視線が痛いほど突き刺さってますけど、あたしにどうしろと?

そんな中、その緊迫した空気を破るように、大きな音を立ててドアが開いた。犯人は雅樹、いつもなら「静かに開けろ。」と怒るところだけど、今ばかりは助かったとほっと胸を撫で下ろす。