「陽路先輩!何でコイツなんかとつき合っちゃうんだよ!?俺も…」

「恭汰落ち着け。」


息つく暇なく話し出した恭汰に対し、あたしは自分のカバンの中から出したポッキーを渡す。

今日のあたしのおやつの残りなんだけど、それはおいといて。あたし以上に甘党な恭汰を落ち着かせるには、お菓子を与えるのが一番だから。


「おぉっ!ポッキー♪それもコレ、新発売のフレーバーじゃん!」


ポッキーに夢中になり始めた恭汰はさておき、あたしは困ったような表情を浮かべていた寿也の隣のイスに腰かけた。

――そして、


「で?喧嘩の原因は?」

「………何でもないッス。」


何気なく問いかけてみた喧嘩の原因。
しかし寿也は少しふてくされたまま、目をそらして答えようとしない。

寿也がこのまま口を開かないであろうことを悟ったあたしは、恭汰に聞いた方が早いなと、ポッキーを食べている彼に視線を移した。