“一生陽路にはかなわない”

その言葉が頭の中で反芻する。
っていうか“一生”って何よ?現に今は、あたしの方が陽路の上にいるじゃない。

所詮ガキの戯れ言。
あたしはそう自分に言い聞かせ、沸き上がる苛立ちを必死に押し殺した。それにしても生意気なムカつくガキ…。可愛げがあるのは外面だけだ。

高くなった太陽が、鬱陶しい日差しを地上に投げかける。気持ちを切り替え、あと一時間もしたら午前練も終わるんだな、なんて考えながら仕事場に向かう。

あたししかいない仕事場でドリンクボトルを洗い始めると、ラリーが続く音やリーダーたちの指示、みんなのかけ声などが自然と耳に入ってきて。視線を遠くに投げ、ゆっくり深呼吸した。