「でもね、やっぱり、何にも相談なしでいなくなられちゃったこと、少し寂しかった。悲しかった。そんなに信頼されてなかったんだって思うと、スゴく情けなかった。」


返ってくる訳のない返事に、自嘲的な笑みを零してしまう。

…それにしても俺、何言ってんだろ?
どうしても言いたかったのは確かだけど、こんなこと言いに来たわけじゃないのに。陽路ちゃんを責める気なんて、少しも無いのに。

だけどそんな矛盾の中どうしても、陽路ちゃんを前にして言いたかった。


「…ちょっとだけでも、相談してほしかったなぁ。」


最後にそう呟き、陽路ちゃんの手を握りしめる。そしてそのまま、顔をベッドに突っ伏した。あふれ出す気持ちを今は押さえ込み、陽路ちゃんの手の温もりを感じながら目を閉じる。

明るい日の光が、俺たちを静かに優しく、包み込んでいった。