“陽路先輩が倒れたそうです!”

朝練があるため、苦手な早起きをさせられながら眠たい目をこする俺。勢いよく部屋に戻ってきた杉下の声が、ただ頭に響く。
まだ鈍い頭を必死に働かせ、放たれた言葉の意味を考えた。

“陽 路 先 輩 が 倒 れ た ”

倒れた?何で?
何で陽路ちゃんが?

突然冴えだした頭。これまでにないって程のスピードで着替え、聡君と一緒に一階へ向かう。心臓が、あり得ないほど早鐘を打っていた。

多目的ホールにはすでに、ほとんどの人が集まっていて。パッと見た感じ、いないのはマネージャー三人と、海星の村田君と木原、沢村君。でも、そんなことよりも今は陽路ちゃんのことが大事。俺はすぐに渡部の方に歩み寄った。