君を守りたい


ねぇ、寿也。知ってる?

悲しみの中で生まれた言葉からは、悲しみしか生まれない。
どんな言葉も意味を成さないときもあって、言葉なんてむしろ、相手を傷つけることしかできないものだってこと。

どんなに好きでも、大切でも、別れざるをえない理由がある。
どんなに愛しくて、そばにいたくても、守り通せない場合もある。

どんなに信じていて、わかりあえると思っていても、結局裏切られるの。

でもね、また信じたいと思えた。
あの人と似ている寿也だからこそ、信じてみたい。再び裏切られたとしても、あたしはきっと後悔しない。

そんなことよりもしかしたら…否、間違いなくあたしの中で、寿也をあの人の代わりにしてしまっている部分があるのだろう。
現に今だって、疑いようもなくあたしは寿也とあの人を重ねている。

――でも。

そんなことも考えられないくらい、気がつかないくらい、もうこれ以上あたしは、一人でいることに限界だった。

傍に居て、笑って、支えてくれる。
あたしが今まで通り過ごすために。
心の穴を埋めるために。

誰かの温もりに触れていたい、
独りになりたくない。