君を守りたい


「でもその子持病抱えてて、ある日いきなり、俺たちの前からいなくなったんスよ。もう、二度と会えない。」


“もう、二度と会えない。”

その言葉が何度も頭の中で反芻する。
当時のことを思い出しているのか、藍前はキツく唇をかみしめた。


「そのこと知らされたとき、急に陽路がちゃんと息できなくなって。今日みたいな感じになったんスよ。」

「心的不安定か。やっかいだね。」


藍前の話に、崎村先生が眉をしかめながら呟く。でも、コレで確信した。その不安定を与えているのが、他でもない俺だってことを…。

壁に掛けられた時計が、7時になったのを告げる短い音が、辺りに響いた。