君を守りたい


何ともいえない沈黙がこの場を包む。
たった一人、先輩が倒れただけって言えばそれまでだけど、それが陽路先輩だから…。俺たちにかかる重圧が、普通のものではない。


「…クセがあるかどうかはわかんないんスけど、俺、一回だけ見たことあるッス。」


そしてその沈黙を破るように、不意に藍前が発した一言に、一同の視線が藍前に集まって。


「俺たち、実は幼なじみなんすよ。で、近くに陽路と同い年の男の子もいて、よく一緒に遊んでて…。」


広いホールに、藍前の声だけが響く。
ってか、陽路先輩と藍前が幼なじみだったなんて知らなかったっつーの。

そして不意に、昨日の藍前の言葉を思い出した。こいつはそんな昔から、ずっと陽路先輩を想っていたということを改めて思い知らされた。