君を守りたい


時間が経つにつれ、夜の寒さもさらに増す。時折吹く冷たい風が、あたしたちをゆっくりと包んでいった。

あたしが泣きやむまで、寿也はずっとあたしを抱きしめていてくれて。あたしの頬が乾く頃には、寿也のジャージに涙が大きなシミとなっていた。

あたしが鼻をすする音が、やたらと大きく夜の公園に響く。そんな中不意に寿也が、


「…俺、陽路先輩が好きッス。俺が先輩を、守りたい。」


ぽつりと一言、そう言葉を零した。
確かめるまでも無くそれは、あたしへの寿也からの告白。そのたった一言に、あたしの頭は一斉に活動をやめてしまったような、そんな不思議な感覚に陥ってしまう。

――嬉しくない訳ない。
でもあたし、わからない。
『好き』だとか『守りたい』だとか、それらが一体何なのか…。

だって人は、裏切るものでしょう?
確かなものなんて、この世には無いのだ。