「今だって俺、何で沢村先輩にこんなにキレてるかわかんねぇ。それに昨日も、何で陽路先輩にあんな態度とり続けてたのかもわかんねぇ。ただ…、マジで怖いんだ。陽路先輩が冗談抜きで、阿久津先輩のとこ戻りそうだから…。」
唇をかみしめ、寿也はうつむく。
もしかしたら寿也は、あたしよりも早く、あたしの気持ちに気づいてたのかもしれない。
あたしは結局、寿也を利用したにすぎないじゃないか。自分の寂しさを、心の穴を埋めるため、寿也を。
そんなことあたしだって、少しずつわかっていたのに、あたしはずっと気付いてないフリをしていたに過ぎなくて。ホント最低。
だけどもちろん、寿也は好き。
この期に及んで何を、と言われるかもしれないけれど、確かに。
いつでもあたしを大切にしてくれて、一番に考えてくれた。慈朗がいない世界、海星であたしを支えてくれてたのは他でもない寿也だったから。
でもやっぱりあたしは、慈朗への想いを捨てられないみたいだ。

