つい先ほどまで、あたしを無視してうるさかった部屋。いつの間にか他の3人は寝静まり、あたしは一人冴えた目をこすった。ベッドに横になり、いろいろ考えたり思い起こしてみる。
一番気がかりなのは、やっぱり寿也のあたしに対する態度。きっとあたしが何かしたんだろうけど、ホントに身に覚えがない。マジ意味がわかんない。
愛加や桃の態度は、どうせ美香が何か吹き込んだんでしょ。まぁ、美香のナイトたちがいない分、無視されるだけですむから、こっちは別にどうでもいい。
そしてさらにあたしを悩ませているのが、さっきの圭との会話だった。
“木原は、慈朗の代わりですか?”
そんなことないはず。否、そうかもしれない。でも、わからない。気付いているクセに、気付きたくないだけかもしれない。
だけど本当に、自分の気持ちが今どこにあるのか、イマイチ把握できないのは疑いようも無い事実だった。