君を守りたい


 “俺たちがいるし。
  陽路ちゃんは陽路ちゃんらしく、
  堂々としてればいーじゃん。”

思い出したくない記憶が、頭の中でフラッシュバックする。止まらない。あたしを優しく包んでくれた笑顔、温もり、言葉が、今はただツラい記憶としてよみがえってきて。

――すべて、打ち砕かれたんだ。
あたしの想いも幸せも、あのまま続くと思っていた日々も、全部、全部、奪われた。


「陽路、先輩……?」


寿也の声で、ふと現実に引き戻される。気づかないうちに、なま温かいモノが止めどなくあたしの目から滴っていて。


「寿也、ごめん…」


思わず紡いでしまった、謝罪の言葉。
でも、だって、やっぱり。こんな情けない姿、後輩に見せられるモノじゃないでしょ。
泣き顔を人に見せるなんて、負けを認めてるみたいで昔から嫌いだったのに…。