今更だけど、俺、気付いちまったんだよ。俺も陽路先輩が好きだってことに…。簡単に会えなくなって、会う手段さえもなくなったとき、やっと気がついたその想い。

もちろん、慈朗との仲を邪魔する気なんてねぇから、俺はこのままでいい。ただ陽路先輩に、近くにいてほしかっただけだ。


「圭。ゴメン片づけ長引いた…。」


過去に思いを馳せながら、多目的ホールのイスに腰掛けていた俺。大広間から走ってきたのであろう陽路先輩の声で我に返った俺は、彼女の方を向いて座り直す。


「大丈夫です。陽路先輩も座ってください。」

「あ、うん。」


正直、言いたいことや聞きたいことは、たくさんあるんだ。でも、何から言えばいいのかわかんねぇ。