君を守りたい


「だってずっと前から、俺も陽路好きだから。ま、告っても返事はくれなくて、いつも笑って流されるんだけどね。」


そして藍前は自嘲的ともとれる笑みをこぼす。冷ためな風が、俺たちの頬をかすめた。深く帽子をかぶり直した藍前は、俺と目を合わせるとさらに話し続ける。


「アンタもそのうち実感すると思うけど、陽路は目の前を見てないよ。陽路の気持ちは、ここにはない。」


…知ってるっつーの、そのくらい。俺だって気づいてるんだ、痛いくらいに。

藍前の言葉に、俺は強く唇を噛みしめる。確かに、二人で一緒にいても陽路先輩は、時折俺に誰かを重ねて見てたことはあった気がしないでもない。

でも自分の中で考えるだけではなく、他人から事実を言われることが、こんなに心折れるものだとは思わなかった。寂しそうな藍前の表情に、どうしても自分の気持ちを重ねてしまう。