君を守りたい


「あのさ、俺、ネットプレー得意だから最初前衛やってもいい?」

「あぁ。いいッスよ。俺の方こそ、いつも後衛だったんで。」

「そっか!偶然だー。」


…イヤ。きっと、偶然ではない。

沢柳先輩がさっき塚本さんに言っていたように、その辺はちゃんと考慮してペアを組ませてあるんだ。その証拠に、相手チームもすんなりとポジションについている。


「あ。あと、吉山ってたまぁに変な動きするから気をつけて。」


阿久津先輩は俺にだけ聞こえるようにそうささやき、ネット前の位置についた。

あぁもうなんか、阿久津先輩を見る度に、開会式前のことをどうしても思い出してしまう。

そんな中、すっげーモヤモヤする気持ちのままラリーは始まった。
マジ、ヤバいくらいボールに集中できねぇ。こんなんじゃダメだって、そんなことはわかっているのに…。