君を守りたい


「よし。いいだろう。今の四人はコートに入れ。」


「あの…」と話し出そうとした俺の声は、塚本さんの指示を出す声でかき消されてしまった。
でもこんな気持ちでダブルスなんて、絶対うまくいく訳ねぇだろ。俺の気持ちの問題だとは言え、最悪だ。

各グループ一面しか与えられていないコート。必然的に観戦する立場の人もいるわけで。下手なことしたら、絶対沢柳先輩に怒られちまう。


「よろしくね〜。」

「…こちらこそ。」


俺の背中を軽くたたきながら、明るく笑う阿久津先輩。俺はこの人に、心の底からの笑顔を向けるなんてできねぇ。絶対に無理だ。

ってか、俺にこんな笑顔を向けるなんて、この人は俺が今陽路先輩とつきあってるってこと、知らないのか?

そんなことを考えてると、前を歩く阿久津先輩が何かを思い出したような顔をして、俺の方に振り向いた。