それに加え、陽路と会ってから渡部や阿久津が、明らかに元気になった感じもするし。
あぁ、もう。
本当にイライラする。
そんなふうに思っているからなのか、陽路の言動一つ一つが目について。まるであたしの気持ちを煽るような陽路が、腹立たしくてしょうがない。
例えば、超可愛い明春の男の子と仲良さげに話してたの、とか。
今は海星の部員に守られてるくせに、未だ凌葉の部員に未練タラタラなくせに、これ以上まだ、自分の周りに囲いを作るつもり?いい加減、自分の立場を考えれば?って感じだ。
しかもその子も阿久津同様、あたしに全く興味なさ気だったから尚更悔しい。
一時半からの練習に備え、準備をするためにコートに向かう最中、あたしはこの短時間のことを思い返し、小さくため息をついた。
「じゃ、各自担当コートにバケツ3杯分のボール運んでから、細かい作業して。わかんなかったら聞いていいから。」
コートの横にあるマネの仕事場の前で、陽路があたしたちに言う。
でも、何なの?陽路のくせに、偉そうに。マジめんどいし、日焼け止め塗り忘れたし、あたしは露骨にイヤな顔を浮かべた。