君を守りたい


「俺だけ陽路先輩のこと、何にも知らないんスよ…。今日の部活のときだって、声さえかけてやれなかった…!!」

「寿也…。」


苦々しい表情を浮かべ、まっすぐにあたしを見つめて寿也は話す。
やっと話の主旨を理解し始めたあたしは、どこまで寿也に言えばいいのか、悩んでいた。

そりゃあ、あんなあからさまな異変を見せられたら、いくら寿也だって何かあったってことくらい勘ぐるだろう。

そしてそのときの恭汰や晴人の態度を見て、それを知らないのは自分だけなんだって悟ってしまったんだ、きっと…。

寿也のことだから、自分だけ信じられてないんじゃないかって、頼られてないんじゃないかって、だいぶ悩んだに違いない。

だから現にあたしが今、寿也自らの手によって、ここに呼び出されてるんだから…