とうとう合宿が始まった。

ってか、陽路と久しぶりに再会したし。それにしても、あのプリント見たときはビックリだったよねー。潔くいなくなって、音信不通になったと思えば、いきなり海星のメンバーとして現れちゃってさぁ。

まぁ、もうどうせ凌葉には陽路の居場所なんてない。あたしが陽路に代わって凌葉男テニの中心になったから。少し、阿久津たちの笑顔がなくなってしまったけれど、それほど気にはしていなかった。
だってさ、いきなり裏切るようにして姿を消した陽路に、未だみんなが信頼を寄せているとは、到底考えにくかったから。もう嫌って、拒絶して、当然じゃない。

――なのに。

あたしの考えはことごとくハズレていた。バスから降り、陽路の姿を見つけるやいなや走り出した部員たち。さらに、陽路に抱きつく阿久津の様子を、あたしは車内からしっかりと見ていた。

マジ何なの?
またあたしの邪魔する気?

ただ陽路が、許せなかった。