君を守りたい


「…急にどうした?」


闇に消えてしまわぬように、あたしはうつむいてしまっている寿也に向け、ゆっくりと問いかけた。
時折吹く風の音だけが、夜の闇を支配している。隣では寿也が、まるで何かを決意するように、大きく深呼吸したのち、


「……陽路先輩にとって俺は、二年の先輩たちと何か違うんスか?」


再度投げ掛けられた、電話と同じ質問。


「え。同じ、だよ?何言ってんのよ寿也。」


寿也があたしに、問いかけ返した言葉の意味をちゃんと理解しきれなかったあたしは、苦笑いとともにそう簡単に答える。

頭の中では、あたしが気づかないうちに二年生たちと寿也との扱いで、何か寿也が気にするような区別しちゃったのかなぁなんて、呑気に考えながら。

寿也があたしに言いたかったのは、こんなことなんかじゃなかったのに…。
いつの間にか、寿也がテニスをするときにしか見せないような真剣な瞳で、あたしのことを捉えていた。